> 自己破産手続き
1 メリット
裁判所に自己破産を申し立てて,免責決定が得られれば、ほぼすべての借金などから解放されます(注)。
借金の取立てに脅えたり、資金繰りに奔走することなく、ご自身とご家族のためにお金を使う新しい生活を始めることができます。
取り立ては原則として弁護士に依頼したときから止まります。
弊所では、申し立てたすべての破産事件について免責決定を得ています。
(注)租税や養育費などの請求権は、非免責債権です。これらの債務は、自己破産をして免責許可決定を得ても免責にはなりません。
2 よくある疑問について
よくいただくご質問をまとめてみました。
・選挙権・被選挙権
→選挙権・被選挙権がなくなることはありません。
・勤務先との関係
→裁判所から勤務先の会社に連絡されるようなことはありませんので、自分で言わない限り、破産の事実が勤務先に知れることはまずありません。(勤務先から借入があるときは、債権者として勤務先に連絡がいきますので、このときは勤務先に知れることになります。ただし、会社は自己破産を理由に従業員を解雇することはできません。)
・勤務先の会社に通知されて給料が差し押さえられるのですか?
→裁判所から勤務先の会社に連絡されるようなことはありません。また、破産手続中は個別の差押は禁止されています。
・自宅の家具や家電などが差し押さえられるのですか?
→破産手続中は個別の差押は禁止されています。したがって、自宅の家具などが差し押さえられることはありません。ただし、リース物件や価値の高い自動車等については、返還や売却等の必要があることはあります。
・新聞に載るのですか?
→官報という特殊な新聞には載りますが、一般人が官報を見ることはまずありません。
・戸籍に記載されるのですか?
→破産をしても、戸籍に記載されることはありません。
・住民票に記載されるのですか?
→破産をしても、住民票に記載されることはありません。
以上のように、自己破産手続は、債務者の方が経済的再生を果たす上で極めて優れた手続きといえます。
3 デメリット
デメリットは、大きく次の2つです。
ひとつは、不動産を失うことです。
破産者の方がマイホームなどの不動産を所有している場合は、原則として、その不動産を売却して代金を債権者に分配する必要があります。ただし、事案によってはそのまま居住ができる場合もありますので、弁護士にご相談ください。
もうひとつは、保証人が請求を受けることです。
主債務者の方が破産した場合、保証人の方が請求を受けることになります。この場合、保証人の方との関係が悪化することがあります。ただし、保証人の方も合わせて破産の申立てを行って免責を得られる場合や、事情によっては保証人の方に請求が行くことを避けられる場合もありますので、詳しくは弁護士にご相談ください。
そのほかに、自己破産のデメリットとして、「ブラックリストに載る」ということを心配される方があります。
実は、「ブラックリスト」という名称のリストは存在しません。ただ、自己破産をすると、信用情報機関に事故情報として登録がなされます。
信用情報機関に事故情報が登録されると、数年の間、銀行ローンが組めなくなったり、お金を借りにくくなったりします。しかし、せっかく破産をした直後に、またお金を借りて辛い思いをしたいという人はいないでしょう。したがって、このことで何か生活に困るということはあまりありません。
そもそも、一定期間返済が滞った時点で、すでに信用情報機関に事故情報の登録がされています。自己破産をすれば数年間でその記録は消えますが、自己破産をせずに借金を放置したままですと、いつまで経っても記録が消えません。それならば、早く自己破産をして免責を得た方が良いともいえます。
自己破産の弁護士費用は分割が可能です。ご相談者の方のご事情・ご希望をお伺いして、ベストと考えられる手続きをご案内・ご提案させて頂きます。